これは何

採点をしてたんですが、せっかくみんな書いてくれたのでレスするのが礼儀かなと思いました。その中で内容がおもしろかったのと、北海道の大学生がどんな映像に興味を持って見ているのかは他の人でも見れたら面白いかもと思い、書いてくれたMVなどのものと私のコメントを、個人が特定できない形で公開することにしました。
※コメントはすべて個人の主観であり、MVとはかくあるべきもの、ということを規定したり宣言したりするものでは全くありません。
講義の補足
imai『Fly feat.79, 中村佳穂』
制作:橋本麦
講義で言い忘れてましたがメイキングがあります。感想で「〜〜がどうやってるのか気になった」と書いてくれていた方々の答えはだいたい載ってます。たぶん想像よりずっとエグい手のかけ方をしています。カメラワークを記録するためのプログラム組んで、マーカーつけて1枚ずつ動かして軌跡を自作のプログラムで確認しながら撮った、というのを見てこわ〜と思いました https://baku89.com/ja/making-of/fly
Jamiroquai『Virtual Insanity』
監督:ジョナサン・グレイザー
Virtual Insanityがこんなに印象に残るMVなのは「シンプルな方が印象に残る」というのがあるかもしれないですね。ちなみにこの監督を務めたジョナサン・グレイザーは最近『関心領域』というアウシュヴィッツ強制収容所を描いたA24の怖めの映画の監督もやっていて、「引いた視点からのシンプルな構成で雰囲気を出す」みたいなのがめちゃ上手な人です。
ちなみにVirtual Insanityは札幌の地下街にインスパイアされたという話がありますが、札幌か仙台のどっちからしく、どっちかは謎なようです。
https://domingo.ne.jp/article/30833
教えてもらったものたち
櫻坂46『Lonesome rabbit』
クレジット
- Director : Masaki Watanabe (maxilla)
- Choreographer : TAKAHIRO
- Producer : 小浜元(P.I.C.S.)
- Production : P.I.C.S.
映像カッコいい!!これもかなりスマホ最適な映像ですね。maxillaもP.I.C.S.もMVや広告映像をたくさん手掛けている有名な映像制作会社です。これだけ人数いるのにひとりひとりが立つように映像作っててすごい。
ユニコーン『クレナイノハ』
監督:福田雄一(勇者ヨシヒコシリーズ)
TV アニメ「片田舎のおっさん、剣聖になる II」テーマ曲
勇者ヨシヒコシリーズというコメディドラマがあるんですが、たぶん企画側が冒険×おじさんということでそのドラマが真っ先に思いついて、監督の人にお願いしたんでしょうね。企画した人めっちゃ楽しかっただろうな。
米津玄師『KICKBACK』
監督:奥山由之(写真家・映像監督)
スピード感とコミカルな感じが混在していてめちゃ面白いMVですね〜 レトロ、筋トレ、パルクール、曲の展開もいろいろあるのがうまく反映されていて「映像作品」という感じが強い映像ですね。切り抜きを想定しているかしてないかはわかりませんが、結果的に切り抜かれやすいような映像になっている感じがします。
Vaundy 『恋風邪にのせて』
監督:丸山健志
世界観のある良い映像ですね!とくに最近ですが、写真も映像もカラーグレーディングの感じが作家性を強く表す感じがあり、監督の丸山健志さんはその傾向が強い感じがします。丸山さんの映像だとMONDO GROSSOの『ラビリンス』というMVもかなり話題になったMVでオススメです。
フロクロ『ただ選択があった feat. 重音テト』
制作:フロクロ
おもしろいですね!講義の中ではちゃんと話さなかったのですが、こういう作者自身がつくるMV、もしくはかなり近しい関係の人がつくるMVも最近かなり増えていて、それは一番音楽の世界観が意図通りに現れているものでもあるかなと思います。
2号.『柴又』
制作:2号.
葛飾区観光協会が公式でMADコンテストやってたんですね。音MADの世界は深いので詳しくあんまわからないんですが、普通に音楽(Funkotというジャンル)のクオリティが高いのと、音ハメが手が込んでいて中毒性があるのはわかる気がします。おもろい。
米津玄師『さよーならまたいつか!』
監督:山田智和
山田智和さんもめちゃ有名なMV監督です、米津玄師、あいみょん、KID FRESINOなど、おしゃれかっこいい映像では日本有数の方ではないでしょうか。こういう方のMVは作品ごとにどんなチャレンジをしているかを推測しながら見るのがおもしろいです。逆再生を使うっていう仕組みおもしろいですね。これはおそらく「一発撮りに見える映像(実際には編集でそう見せている)」という最近のフォーマットの発展型だと思います。
Last Shot ft. templuv & 347aidan (Official Lyric Video)
監督:5人のビデオエディター
- Rinxmis: https://x.com/rinxmis
- SAYO: / sayonarajtz
- Kiuzr: / @kiuzr
- Yungzy: https://x.com/yungzylol
- Shadey: https://x.com/shadeyqt
VALORANTの大会公式ビデオ、VALORANTコミュニティのビデオエディターに作ってもらってるのめちゃ面白いですね。それぞれが「自分がつくったぜ」と拡散するから広まるし、コミュニティのみんなが見慣れてるからより好きになる。ひとつのいまっぽくておもしろい企画の形だと思います。これと別にフルアニメのMVもあるのか、さすが金かけてる!
cyriak『Because』
制作:cyriak
キモおもろい。15年近く前にAfter Effectsの3Dレイヤーだけでつくったとのこと。ひとつのツールを極めるとなぞのおもろいところにたどり着ける例な気がします。この人のチャンネルキモおもろい映像たくさんでいいですね。
Animator vs. Animation
制作:Alan Becker
アメリカの映像作家Alan Beckerの作品。ほぼ同世代(1個上?)なのでめちゃわかるんですが、この作風には、かつての映像制作ソフトであるMacromedia Flashでつくられた作品(Flash動画ばかりが見られるサイト「フラッシュ倉庫」がYouTubeやニコ動以前の動画サイトでした)の中で最も有名なもののひとつである「小小系列」という映像に強くインスパイアされています。Alan BeckerはGUIを絡めて、作家とアニメーションのメタ関係を作っているのが面白いですね。
林桃子『You make me happy!』(フレッシュプリキュア!)
2009年
プリキュアのCGダンスエンディングの始まりとのこと。東映アニメーションの人による解説セッションの記録がありました。 https://www.famitsu.com/news/201208/23020030.html
当時の最先端技術を使ってやっていたようで、上記のセッションも大人気だったようですね!最新技術を使いながらも、子どもが楽しめることを徹底的に考えて作っていたようで、めちゃいいものづくり!
ドキドキ!プリキュア 『この空の向こう』
2013
2013-2015の3年間はPerfumeの振付師であるMIKIKO先生が振り付けを担当していたようです。めちゃめちゃPerfumeを感じる踊り。たぶん技術の発展に合わせてCGの作り方のアプデもかかってるんだと思います。2016からはたしかにまたテイストが変わってますね。
2016頃のインタビューがありました https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20170509032/ 2016ごろからMayaだけじゃなくUnityが使われ始めて、シェーダーとかを使い始めてCGっぽさを消す感じになってるっぽい
ARASHI - 復活LOVE
監督:森義仁
ワンカット!出演者の演技力を信頼してるからこそな感じありますね。特に嵐の復活の曲ということもあり、メイキングをつくっているのはニュースバリューを高める(テレビで使ってもらう材料になる)ことも視野に入れていると思います。
星街すいせい『ビビデバ』
監督:擬態するメタ
擬態するメタ!イラストレーターと映像作家のユニット、星野源も手掛けていたMV界の気鋭の若手ですね。MVは「ぱっと見で引きつける仕掛け」が最近は特に重要だと思うのですが、擬態するメタはそのあたりの企画と実装がめちゃレベル高い感じがしますね。
a-ha『Take On Me』
監督:スティーブ・バロン
MTV文化を代表するMVのひとつですね〜 ロトスコープを使った映像は音楽の会社の偉い人のアイデアだそうで、曲を売るために映像をつくった結果のいい事例だと思います。歴史に残るMV!
Gorillaz - DARE
監督:Pete Candeland
この方は複数教えてくれたので個々のコメントは軽めに。キモさが際立つ、覆面バンドというGorillazの謎性を生かしているMVのような感じがします
幽霊みたい / 佐藤乃子
作家:佐藤乃子
質感がいいですね、音楽も映像もつくることで世界観がしっかり表せてる感じ
東京真中『ブレインロット feat. 重音テト』
作家:東京真中
みたことあった!曲がいい
レトロフューチャー、リミナル、ダンス、高速ハウス、流行り物全部盛りをしっかりやってる感じ、素性不明のボカロPですけど、相当なわかり手がチームを組んでやっている感じがします
サカナクション『SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE』
総合演出:田中裕介
知らなかった、めちゃくちゃかっこいいライブ配信ですね。ライゾマがやってるのかなと思ったけど1曲だけのようだったので、何社かとかフリーランスの人が多く入って一緒にやっているような気がします
https://rhizomatiks.com/work/sakanaquarium-adapt-online/
バルーン(須田景凪)『パメラ』
制作:アボガド6
歌詞MVのモーショングラフィックがいいだけやられ尽くした時代に、控えめな文字の動きでしっかりこれまでにない感じの表現をやっていておもしろいですね。かなり意識的にこれまでになさそうな表現を考えてやっていそう。
川原遥翔 - デザイン feat.Miku
映像:聖水P
おもろ〜 全然ポートフォリオとかないですがかなりすごいCGの使い手ですね、Blenderでやってるっぽい、3Dで1人称視点やって、ここまでの音ハメと工夫と展開やってるのなかなかみたことなくてかなりおもろいです
チキンラーメンCM『アクマのキムラー 篇』90秒
制作:電通/ギークピクチュアズ
クレジット https://www.bpcj.or.jp/program/detail/A29592/ 見る限り、これまで日清食品を手掛けてきた広告クリエイターの方々によるCMという感じですね。CMとして訴求する食べ物シズルをしっかり見せながら、ターゲットである(2018年当時の)若い人たちに刺さるようにつくっている感じがします。
Mili『world.execute(me);』
Miliなつかしい、ボーカルのCassie Weiがソフトウェア工学を学んでいたようですね。Javaで書かれた歌詞というのがおもしろいです。映像もおそらく自分たちで手掛けているのかと思いますが世界観がよく現れてますね。もう一曲似た曲とMVを作っているよう。
フレデリック『ナンセンスナンセンス』
監督:山口保幸
<アニメが「めでたしめでたし」で終わるのに対して、曲が「とは言ったものの世界は」で始まるのが面白いです>
めっちゃ最近ですね。監督は大ベテランの方。アニメとの接点の着目するの面白いですね!そういうつくりもたしかにあるかも。演者の動きと表情でしっかり見せるようなMVになってますね。男性ブランコのキャスティングが効いてるのかも。
RADWIMPS『ラストバージン』
監督:田辺 秀伸
丸いもの、視覚的にテーマを決めてそのまわりにひたすらエモい風景を配置する、というアイデアで突破しているの面白いですね!ただエモい映像をひたすら見せ続けられるより印象に残る感じがします。
M!LK『好きすぎて滅!』
- Director : MONA (VeAble)
- Pixel Artist : Fuzuki Ishida
- Illustrator : Shun Suzuki
- CG Animator : DENSUKE28
でんすけ28号さんはいろんなMVを手掛けてるCGクリエイターの方ですね、VeAbleという会社もMVを頑張ろうとしている若手のチームでいいですね。映像作家の磁場みたいなものが見えてきますね。
メメメメ『ニセモノ』
作家:中絲 悠
めちゃ新しい!たしかにカメラワーク面白いですね。CGをCGっぽさを削ぎ落としてイラストっぽく可愛く見せるのがめちゃ上手な作家さんだ。イラストレーターっぽいシーンづくりが多い気がする。
原口沙輔『歌うbot feat. 足立レイ』
映像:原口沙輔
宅録の星・原口沙輔! これも作家本人の制作によって世界観がすごくよく出ているMVのひとつですね。アカウントを実際に設立して展開していたり、音源/映像素材をdropboxで公開していたり、メディアを複合的に使って遊んでいる事例としてかなりおもしろいですね。
Salvatore Ganacci『Step-Grandma』
監督:Vedran Rupic
めちゃくちゃいい。謎のシュールさがありますね。サルバトーレ・ガナッチはステージの上で変なパフォーマンスをするDJだということで有名らしく、その人間性がでてる破天荒な感じでいいですね。
ショートドラマ見放題アプリ『Million』
https://www.instagram.com/milliondramas/
おもしろいですね。連続起業家の人ががんばっているようです。CEOの人のインタビューがありました。 https://note.com/flash_inc/n/n8c49f2d7645d 確かにマーケットとして大きそう!どういうものが特におもしろいのかなどどこかで教えてください。
頭文字D First Stage
1998年
インタビューが見つかりました https://gigazine.net/news/20140814-hiroaki-matsuura-interview/
このインタビュー時点で15年くらい経ってるのに、「CGの使い方はさほど変わっていない」というのは面白いですね。技術が進歩しても見せるポイントとか、臨場感のコツとかはあまり変わらないものがあるのかもしれません。
星野源『Mad Hope』
監督:ARuFa
このMV紹介しようと思って忘れてました!ARuFaさんはSNSでこういう感じの映像をずっと作ってる人として有名なんですが、星野源がこういう人をピックアップしてMVをつくったことがひとつ時代を表しているなという感じがします。
Mad Hopeのときの「孤独」に関するインタビューがめっちゃ良かったんですが、そういういい意味の諦めな感じもこのMVに反映されているような気がします。 https://www.gqjapan.jp/article/20250522-gen-hoshino-hype
YOASOBI『アイドル』
MVディレクター:中山直哉
一時代を築いたMVですね。推測でしかないんですが、MVをたくさんつくっていない方がこれだけバズを狙うアーティストの監督を務めているのは、ディレクションというかプロデュースがしっかり方向を定めているような気がします。
ひやめし『トリケラトプスのうた』(?)
制作:本人?
ゲームボーイで音楽をつくるのは実は「チップチューン」と呼ばれる音楽のジャンルだったりします。LSDjというものを使えば誰でもゲームボーイを使って音楽がつくれます。何人かやっている人が知り合いにいます。きみもやってみよう!!
https://qiita.com/internet_nicenature/items/6a45ece731727074ff99
厚岸コンキリエ CM
作者:不明(たぶん道内の制作会社)
「月曜から夜ふかし」とかにも取り上げられるくらい有名ですが、誰かはわかっていないそうです。ちなみにフリー素材です。これをつかえばあなたもコンキリエができる→ https://pixta.jp/footage/8972377
Vaundy『東京フラッシュ』
監督:MIZUNO CABBAGE
当時話題になっていた!VFXが効果的に使われていて、街を歩いている映像に強い印象を残している感じがします。
ビッケブランカ『Ca Va?』
監督:中澤太
おしゃれなアニメーション!大きな方向性はJonas Odellぽさを感じますが、ポップな感じとかちょいちょいテイストの違うアニメーションが挟まる感じとかいいですね。Jonas Odellの有名なMVはこれ(Franz Ferdinand『Take Me Out』)です。2004年
HANA『ALL IN』
監督:ちゃんみな /監督サポート:YODEN(MAZRI)
かっこいいMVなのにビリヤードのボールが顔になってるのがおもろいですね。ギャップがおもしろいのか?ちゃんみなが自分で監督やっているということも大事な要素なんだろうと思います、おそらくそのためにMVチームがつくられている?
ヨルシカ『あぶく』
監督:擬態するメタ
擬態するメタ!擬態するメタは映像作家とイラストレーターのユニットなので、ロトスコープっぽいやり方よく使ってますね、「延々と銃で撃たれ続ける」という転生もので微妙に既視感がある、でもやりこみ要素のあるアイデアでやりこんでるのがいいですね。何回も展開できる。サビでしっかり盛り上がりをつくってるのもうまい。この間映像作家の友人に教えてもらったkwgtさんという方の映像作品を思い出しました。(微グロ注意) https://vimeo.com/49665439
ナナツカゼ『あのね』
監督:略nd
bilibili作家!!bilibiliはニコニコを真似してつくられた中国のプラットフォームなんですが、bilibiliがメインの映像作家が日本のMVに使われているのははじめてみました。おそらく中国の人ですね。パラパラ漫画自体はわりとよくある手法ですが、それにこだわらず展開しているので単にフックとして使っている感じでしょうか。終始微妙に既視感のない映像ですが、それがかなりいい感じで効いている気がします。英語版のタイトルが違うのとかもいろいろな戦略を感じます。
あばらや『花弁、それにまつわる音声』
制作:あばらや
やっぱ最近のボカロPは映像までつくってなんぼという感じになってきているんですかね。世界観がよく現れていてすごくいいと思います。「デザイン」を思い出しましたがこっちのほうが先でした。
ということで41本!ご紹介しました。2026年の動向がよくわかりますね。学生たちの感度が高くておもしろかったし勉強になりました。感想などあればぜひDMやらなんやらで教えてください。元気があれば来年もやりたいと思います。